3月8日国際シンポジウム

本発表では,これまでのインタビューの結果を表にまとめ,また,観察した歴史の授業をCOLTpartAで記述し,その概要を発表した。

研究を進めていく中で,香港における教育は,

(1)多様性があること

(2)そして,それを引き起こしているものは,多言語社会を反映する言語教育であること

が見えてきた。今回の発表では,イマージョン教育においても,さらにその中に多様性みられることを指摘した。それは,佐野先生の発表にもあるように,教育の多様性が,親や子供の選択肢を豊富にしていることにつながる。しかしながら,その反面として,教育制度,学校種,プログラムに応じて様々な指導法を適用していかなければいけないという課題が課せられていることになる。今後は指導法の工夫ということに関して調査をしていきたいと考えている。

Johnson(1994)では,core to immersion という言語教育プログラムの変化に対応した指導法の枠組においては,content/language, familiar/unfamiliarという区分を設け,それによって作られる4つのカテゴリーにおいて,それぞれどのように指導法などで対応するのかを設計していくことが肝要であると述べられている。本研究の方向性を考えると,immersion to CLIL(Content and Language Integrated Learning)として変化すべき方向を示し,そこで求められる指導法について考察してみたい。