研究代表者のあいさつ

北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院の河合 靖です。香港プロジェクト(通称)の研究代表者を務めております。

後ろ姿で失礼いたします。齢55を過ぎて、週に1,2回、バスケットボールに興じております。この競技は、ジェイムズ・ネイスミス博士が、冬場屋内でできるボールを使ったゲームとして考案いたしました。マサチューセッツ州のスプリングフィールドYMCAで初めてプレーされたこのスポーツは、瞬く間に世界中に広まっていきました。

情報化社会・グローバリゼーションと言われ、人も物も情報も国境を越えて活発に移動し、異なる文化圏の人々が頻繁に接触する時代を迎えました。国際化が叫ばれ、多文化社会の到来が口にされますが、言語の違いが意思伝達に壁となる現実はそのままです。

異なる言葉を話す人々がまじりあって暮らさなければならない状況が世界中で見られつつあります。私たちは、どのようにこうした時代を生きていけばよいのでしょうか。本研究は、多言語社会の香港における言語および教育状況やそこに生きる日本人子女の言語習得状況を考察し、また香港と日本、さらに他の地域の大学教育を結んで互恵的な外国語学習機会を創生する試みを実施することで、こうした問いに対する答えを探ろうとするものです。

私のバスケット仲間も、性別、年齢、人種、国籍が多様化しつつあります。バスケットボールが好きだということだけが共通点のこの集団が、言葉や習慣の違いを超えてなりたっているのは不思議な気がします。もっとたくさんのさまざまな種類の人たちと、一緒にプレーできたらと思っています。