【多層言語環境研究 講演会のお知らせ】
題目:手話の変種と歴史的変遷
日時:2022年3月26日(土)10:00-12:00
講師:神田和幸先生(国立民族学博物館・外来研究員, NPO手話技能検定協会理事長)
要旨:手話は使用者で大別して、ろう者手話、難聴者手話、聴者手話の3つの変種がある。テレビなどで見る手話は手話通訳であろうから、多くは音声言語を同時通訳する聴者手話タイプである。ろう者手話は福祉現場で見られるが、難聴者手話を見る機会は極めて稀である。手話にも方言があり、地域方言の他に、男女変種、世代変種もあり実態は一般に想像されているよりも変種も多く使用状況も複雑である。手話は発達段階により、家庭手話、学校手話、地域手話、全国共通手話に分類できる。歴史的にもこの発達順序とほぼパラレルな変遷を遂げてきた。特殊な事例では離島において未就学ろう者の存在が確認されているが、独自の語彙使用があり、現在では高齢者のみであるから、調査はほとんど進んでいない。しかし日本手話の原型ともいえる語彙使用が見られる。手話使用者は対面相手により変種を使い分けるが、中には音声言語と併用する者もおり、その混淆状態はかなり複雑になっている。
実施形式:オンライン(ZOOM)と対面を組み合わせたハイブリッド方式で開催
対面会場:北海道大学メディア・コミュニケーション研究院